どうも、編集長の「いよ&みCAN」です。
※撮影日:2024/11/12

毎年10月から翌年3月にかけて、肱川流域では「肱川あらし」と呼ばれる独特の自然現象が晴天の朝に発生します。この「肱川あらし」とは、大洲盆地に溜まった冷気が霧を伴いながら一気に流れ出し、強風と共に肱川を下るものです。
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肱川河口付近でより壮大な光景を生み出し、冷気が長浜大橋を抜ける様子は訪れる者を圧倒します。

 前日、肱川あらしAI予報サイトで発生確率がなんと99%と報じられ、期待に胸を膨らませて当日を迎えたのですが、なんと発生確率が0%に変わっていました。

とはいえ、せっかくの機会なので「肱川あらし展望公園」へ向かうことにしました。

1.「肱川あらし」の条件とその神秘

「肱川あらし」の現象は、

◼️オーストラリアの北岸で発生する巨大なロール状の雲「モーニング・グローリー」
◼️アマゾン川の大逆流「ポポロッカ」

と並ぶ「世界三大自然現象」のひとつとも「噂」されるほど珍しい自然現象です。


 正式に「肱川あらし」と呼ばれるためには、以下の3つの現象が揃った時とされています。

◼️強風を伴い霧が長浜大橋に到達
◼️肱川で蒸気霧(けあらし)発生
◼️大洲盆地で放射霧発生


2.「肱川あらし展望公園」からの絶景


まず、「肱川あらし展望公園」へ。
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ここでは「肱川あらし」が見られるスポットとして知られており、霧の中を吹き抜ける強風や、その向こうに浮かぶ瀬戸内海の島々、さらには歴史的な長浜大橋も一望できます。
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肱川を覆うように流れる霧の帯と、川面を疾走する冷気が作り出すダイナミックな風景は、まさにこの時期ならではのものです。
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当日は、肱川に白波が立つほどの風が吹き、上流から放射霧が漂ってきましたが「けあらし」の発生が見られなかったため「肱川あらし」には認定されませんでした。それでも、肱川を駆ける白い風の美しさはとても印象的でした。


3.「長浜大橋」の歴史と見どころ

「肱川あらし」の見学とともに、「長浜大橋」も訪れる価値があるスポットです。
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肱川河口に架かる「長浜大橋」は、
1935年(昭和10年)8月に完成。

現役で動く日本最古の道路可動橋としてその存在感を放っています。

この橋は、

1998年(平成10年):国の登録有形文化財に登録
2009年(平成21年):国の近代化産業遺産に認定
そして
2014年(平成26年):国の重要文化財に指定
されました。
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その歴史的な価値と美しいデザインから、「肱川あらし」とともに観光のメインスポットとして県内外から多くの見学者が訪れます。 「長浜大橋」の開閉が定時に行われるのも見どころの一つです。
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[定時開閉]

土曜日・祝日:午前11時
日曜日:午前11時24分頃と午後1時

に定時開閉が実施され、その迫力ある動きを目の当たりにできるため、多くの観光客が訪れます。年末年始は開閉が行われないので、訪問を計画する際にはご注意ください。

※詳しくは大洲市HP観光情報をご覧ください。

4.坂本龍馬ゆかりの地「冨屋金兵衛邸」

また、「長浜大橋」の直ぐ近くには、坂本龍馬が脱藩の際に四国路最後の宿として泊まったとされる「冨屋金兵衛邸」があります。
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坂本龍馬が旅の途中で訪れたこの場所には、彼の足跡が残されており、歴史ファンにも人気のスポットです。近代産業遺産である「長浜大橋」と共に、坂本龍馬ゆかりの「冨屋金兵衛邸」を巡ることで、歴史的な視点からも地域の深い魅力を感じることができます。

5.「肱川あらし」と「長浜大橋」が作り出す魅力


「肱川あらし」と「長浜大橋」が織り成す風景は、どちらも地域の誇りであり、訪れる人々に深い印象を残します。

特に「肱川あらし」が発生する朝には、ただの風景ではなく、自然が生み出す神秘的な演出と、人間が造り上げた歴史的建造物が共存する貴重な瞬間を楽しむことができます。

次回の訪問では、発生確率の確認をもう少し慎重に行い、今度こそ「けあらし」を含む完全な「肱川あらし」の姿に出会えることを願っています。

6.地図