どうも、編集長の「いよ&みCAN」です。
※撮影日:2025/5/20

1.はじめに


愛媛県久万高原町にある大川嶺(おおかわみね)は、初夏になるとまるで夢のような絶景が広がる場所です。
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標高1,000mを超えるこの地では、5月10日頃から「ツルギミツバツツジ」という珍しい花が咲き始め、ここ数日の陽気によって一斉に咲き誇っています。

紅紫色のツツジが山の斜面を彩る光景は、まさに自然が創り出したアートのような美しさです。

この記事では、「ツルギミツバツツジ」の魅力をたっぷりとご紹介しながら、アクセス方法や見どころも丁寧にお伝えします。自然や花を愛するすべての方へ、この感動をお届けできれば幸いです。

2. アクセス


大川嶺へは、松山市方面からだと車やバイクでのアクセスが基本となります。国道33号線を高知方面へ進み、「道の駅みかわ」を過ぎて「美川大橋」を通過したら、斜め右方向へと進んでください。ここが重要な分岐点です。

その後は、
愛媛県道328号(柳谷美川線)を道なりに走ります。美川峰を過ぎると、
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左手の山肌には、「ツルギミツバツツジ」が一面に咲き誇り、鮮やかな紅紫色が目に飛び込んできます。ここが、最初の絶景スポットです。
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その後は、引き続き愛媛県道328号(柳谷美川線)を進むと道が大きく左折します。
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四国カルスト方面へは進まず、少し直進したあと、右斜め方向の道を上がると「笠取山登山駐車場」に到着します。
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なお、この駐車場にはトイレが設置されていませんので、道中の施設で事前に済ませておくことをおすすめします。

愛媛県道328号(柳谷美川線)は、道幅が狭くなっている箇所もありますので、運転には十分ご注意ください。

とはいえ、道中は緑に包まれた風景が広がり、まるで自然に抱かれるような心地よさが味わえます。

3. ツルギミツバツツジとは


「ツルギミツバツツジ」は、四国地方の高山地帯に自生するツツジ科の落葉低木で、その名は「徳島県の名峰剣山(つるぎさん)に生えている三つ葉ツツジ」から付けられたと言われています。
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花は5月中旬頃から咲き始め、枝先に紫がかったピンク色の可憐な花を多数つけるのが特徴です。 このツツジは標高の高い場所に生息するため、限られた地域でしか見ることができません。

特に、美川峰から笠取山にかけての大川嶺の稜線では、見事な群生が広がっており、その希少性と美しさから、多くの自然愛好家や写真愛好家の憧れの的となっています。
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山の静けさの中に凛と咲く花々は、まるで自然が奏でる静かな調べのようです。ツツジの花に宿る生命の輝きを、ぜひ間近で感じてみてください。

4. ツルギミツバツツジの群生


美川峰から笠取山にかけての大川嶺の稜線に広が「ツルギミツバツツジ」の群生は、思わず言葉を失うほどの美しさです。

山の斜面を覆いつくすように咲き誇るツツジは、まるでピンクの絨毯を敷き詰めたかのよう。新緑の若葉と濃いピンクのコントラストが、まるで自然が描いた水彩画のような景色を生み出します。
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特に晴れた日には、花々が陽の光を浴びてキラキラと輝き、風が吹くたびにやさしく揺れます。その様子は静かで穏やかでありながら、花々の持つ生命力がひしひしと伝わってくるようで、見る人の心を深く打ちます。
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この季節限定の絶景は、登山者はもちろん、カメラ片手に訪れる写真愛好家にとってもたまらないスポット。道中の疲れも吹き飛ぶような、まさに“ご褒美の風景”がここにはあります。

5. 笠取山からの眺望


笠取山(かさとりやま)の頂上に立つと、そこには360度の大パノラマが広がります。標高1,562mの山頂からは、四国山地の雄大な稜線が幾重にも連なり、遠くの山々まで一望できます。
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まるで絵巻物を広げたかのような光景に、思わず息をのむことでしょう。

足元には自然のままの笹原が広がり、人工物のない純粋な山の姿に心が癒されます。風が通り抜けるたびに、笹の葉音や鳥のさえずりが耳に届き、都会では決して味わえない「本当の静けさ」がここにはあります。
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特に朝や夕暮れ時には、空と山の色が刻々と変化し、幻想的な風景が広がります。大自然の中に自分が溶け込むような感覚は、登頂した人だけが体験できる、特別な時間です。

因みに、「笠取山登山駐車場」からだと約10分もあれば登頂できます。

6. 石鎚山


笠取山からの眺望の中でも、ひときわ存在感を放つのが、四国最高峰・石鎚山(いしづちさん)です。天候に恵まれれば、大川嶺や笠取山の稜線から、その神秘的なシルエットを望むことができます。

標高1,982mを誇る石鎚山は、古くから信仰の対象とされる霊峰として知られています。この時期は山肌が新緑に包まれ、麓から頂上にかけてのグラデーションが非常に美しく、遠くに浮かぶその姿はどこか神々しくもあります。

青く澄んだ空、静かな山並み、そして浮かび上がる石鎚山の稜線。
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自然の雄大さと静けさが調和したこの風景は、心に深く染み入るような、四国ならではの絶景です。

7. まとめ


大川嶺と笠取山を彩る「ツルギミツバツツジ」は、自然が私たちに与えてくれる最高の贈りものです。限られた季節、限られた場所でしか見ることのできないこの風景は、一度訪れれば心に刻まれる忘れられない感動をもたらしてくれるでしょう。
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アクセスには少し時間と手間がかかるかもしれませんが、その先に広がる景色は、すべての疲れを吹き飛ばしてくれるほどの価値があります。

ツツジの可憐な美しさ、稜線からの壮大な眺め、そして石鎚山の神秘的な存在感――この地には、自然を愛するすべての人に届けたい“本物の美しさ”があります。

ぜひ一度、「ツルギミツバツツジ」が咲き誇る大川嶺を訪れ、この奇跡の絶景をあなたの目で確かめてみてください。