どうも、編集長の「いよ&みCAN」です。

1. はじめに


岩間を勢いよく流れる「雨滝」は、白絹のように美しく、それでいて力強さを秘めた、不思議な魅力をもつ滝です。

実際に立ってみると、「落差約3メートル」という数字以上の迫力に驚かされます。水が激しく落ちる音はゴーッと大きく響きわたり、耳だけでなく体全体にまで響いてくるようです。
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古くから「雨乞い」の聖地として信仰を集め、龍神に祈りを捧げた人々の伝説が今も息づいています。

緑深い山あいに佇むこの滝には、写真では伝わらない圧倒的な空気感があります。水飛沫とともに心まで洗われるような清らかさに包まれ、自然の偉大さを感じずにはいられません。
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訪れる者を包み込む静かな迫力こそ、この滝が多くの人を惹きつけてやまない理由なのです。

2. 龍神が宿る神聖な祈りの場


雨滝には、水の神「龍神」が宿ると語り継がれています。

その深い信仰の歴史は、松前町(旧松山藩)から人々がはるばる歩いて雨乞いに訪れたといわれています。
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滝壺は底知れぬほどの深さをもち、その神秘的な青みを帯びた色は、まさに龍が潜む場所にふさわしい趣があります。かつては海水を滝に投げ入れることで龍神を怒らせ、雨を降らせるという祈りが行われていたと言われています。
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現代から見れば大胆な儀式ですが、自然と真剣に向き合い、命をつなぐための切実な願いだったのです。滝の前に立てば、遠い昔の祈りの声が、今も木々のざわめきの中に聞こえてくるような気がしてなりません。

3. 春を彩る「雨滝桜」との出会い


雨滝の遊歩道沿いには、樹齢二百年といわれる一本の桜が静かに佇んでいます。

その名も「雨滝桜」。滝にまつわる雨乞いの信仰と龍神伝説にちなんで名付けられたこの木は、春になると淡い花を咲かせ、滝の荒々しさとは対照的な優しさを風景に添えてくれます。
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まだ肌寒さの残る山中で、桜の薄紅色は心にあたたかな彩りを与え、訪れる人々をやさしく迎えてくれるのです。滝と桜、そのどちらもが自然の恵みであり、同時にこの土地の歴史と信仰を語る語り部でもあります。

今は葉桜となり緑がまぶしい姿を見せていますが、春の満開の時期にぜひもう一度訪れてみたくなる、そんな美しさを秘めた一本です。

4. 「ひょんの木」がくれる癒しの音色


雨滝の対岸には市の天然記念物にも指定されている「イスの木」が群生しています。

この木の葉や枝には虫こぶができ、虫が出た後の穴に口を当てて吹くと、まるで笛のような「ヒョウヒョウ」という音が響くことから「ひょんの木」とも呼ばれています。
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滝の轟音とはまた違う、優しい自然の音色が心をなごませてくれます。もしかすると、人々はこの音に心を寄せながら、滝に祈りを捧げていたのかもしれません。

力強い滝の音と、やわらかな木の笛の響き。自然が奏でる二重奏に身をゆだねる時間は、日々の喧騒から離れ、自分自身を見つめ直すきっかけにもなるはずです。

5. まとめ

東温市にある雨滝は、力強くも美しい滝の流れと、古くから語り継がれる龍神伝説が交わる、まさに神秘の場所です。
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滝の音に包まれながら、自然の力と人々の祈りに思いを馳せる時間は、日常では得がたい癒しをもたらしてくれます。

今の時期は葉桜となった「雨滝桜」も、春には淡く可憐な花を咲かせ、訪れる人の心をやさしく包み込んでくれるでしょう。

季節を変えて何度でも訪れたくなる、そんな魅力がこの地には詰まっています。自然の息吹と歴史の物語に触れる旅、あなたもぜひ一度体験してみてください。