どうも、編集長の「いよ&みCAN」です。

四国カルストは、日本三大カルストのひとつとされる美しい高原地帯です。

標高はおよそ1,000〜1,500メートル、東西に約25キロメートルの距離で広がっており、雄大な自然を満喫できます。 この高原地帯では、360度の大パノラマが広がり、四季折々の高山植物を楽しむことができます。

また、四国有数の放牧地としても知られ、のどかな風景が訪れる人々を魅了しています。 四国カルストは西から順に、大野ヶ原・姫鶴平・五段高原・天狗高原と続き、それぞれに異なる魅力があります。

 今回は、その中でも西端に位置する「大野ヶ原」にスポットをあててご紹介します。

 ※四国カルストの姫鶴平や五段高原の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

1. はじめに


梅雨の晴れ間を見計らって、愛媛県西予市野村町にある天空の牧場「大野ヶ原」へ足を運びました。

標高1100〜1400メートルに広がるこの地は、夏でも平野部より8℃前後涼しく、避暑地として親しまれています。
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なかでも注目したのは、四国カルストの西端に位置する人気スポット「源氏ヶ駄場(げんじがだば)」です。特徴的なのは、白い石灰岩が点在する「カレンフェルト」と呼ばれる地形。
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その姿が白馬の群れに見えたことから、源平合戦の際に平家の落人が源氏の白馬と誤認し、退却したという伝承が残り、地名の由来になったとされています。自然と歴史が交わる、心に残る場所です。

2. アクセスと駐車場


「源氏ヶ駄場」へは、県道36号(野村柳谷線)を進み、「源氏ヶ駄場 2.3km→」の案内看板を目印に矢印の方向へ。
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さらに「1.4km→」の標識を右折し道なりに進むと、10〜20台が駐車可能な広々とした駐車場に到着します。
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駐車場は舗装されており、登山道の入り口もすぐそばにあるため、初めての方でも安心です。
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周囲にトイレや自販機などの設備はなく、事前の準備が必要となります。また、この一帯は霧が発生しやすい地域ですので、訪問時は晴天の日を選ぶのが理想的です。
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自然環境を守るため、静かな気持ちで訪れたいスポットです。

3. 登山道と「源氏ヶ駄場」の頂上


駐車場から「源氏ヶ駄場」の頂上までは、およそ400メートルのゆるやかな登山道を10分ほど歩きます。
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石が多く傾斜のある草道ですが、スニーカーでも十分歩行可能です。
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途中には野の花が咲き、鳥のさえずりが聞こえることもあり、自然の中を歩く心地よさが広がります。
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登るにつれて視界は次第に開け、振り返るたびに広がる大野ヶ原の風景に心が躍ります。頂上にはベンチなどの施設はありませんが、白い石灰岩が広がる独特の風景と、爽やかな高原の風が出迎えてくれます。
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手軽に楽しめるハイキングとしてもおすすめで、自然の魅力を全身で味わえるひとときになります。

4. 高知県側を望む絶景と空の風景


「源氏ヶ駄場」の頂上からは、愛媛県内はもちろん、高知県側の山並みまで一望できます。晴れた日には幾重にも重なる山々が青くかすみ、空と地平の境目が溶け合うような景色が広がります。
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早朝や夕方には、霧が立ち込め幻想的な雰囲気となり、まるで時間がゆっくりと流れる別世界。大空はどこまでも広く、吹き抜ける風は心地よく、深呼吸をすれば体の奥からリフレッシュされるような感覚に包まれることでしょう。
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自然のスケールを五感で感じられる瞬間がそこにはあります。訪れる時間帯や季節によって表情を変える風景も、この場所の大きな魅力のひとつです。

5. 「日本のスイス」大野ヶ原を見渡す展望


「源氏ヶ駄場」の頂上からは、大野ヶ原の美しい丘陵地帯を一望できます。

緑のなだらかな丘が続き、点在する白い牧舎や民家がどこかヨーロッパの山村を思わせる、穏やかで牧歌的な風景を生み出しています。この日は梅雨の晴れ間に恵まれ、空の青と新緑のコントラストがひときわ鮮やかに感じられました。
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標高の高さから、夏でも涼しく、避暑地としての魅力もたっぷり。酪農が盛んな地域であるため、運が良ければ放牧された牛の姿にも出会えます。

人の手が入りすぎていない自然本来の姿が保たれ、訪れる人の心をそっと癒してくれる、そんなやさしい風景が広がっています。

6. まとめ


「源氏ヶ駄場」は、大野ヶ原の大自然と四国カルストの地形美が融合する、知る人ぞ知る絶景スポットです。
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標高1400メートルという立地は、夏場の避暑やハイキングにもぴったり。アクセスも比較的良好で、気軽に訪れることができるのも魅力のひとつです。

自然が織りなす景観だけでなく、平家の伝承が残る歴史ある土地としての面影もあり、訪れるごとに新たな発見があります。人の営みと自然が共存するこの場所には、観光地とは違う深い味わいがあるように思います。
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忙しい日常から少しだけ離れ、心を整える旅に出かけてみませんか?大野ヶ原の空と風が、きっとあなたをやさしく迎えてくれることでしょう。